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タテイルαの評判と価格——「塗るタイル」の位置を、公式の価格表で確かめる

「タテイルαを勧められた」「調べたら高級塗料と書いてあった」——という方へ。

プレマテックスは材工設計価格表をPDFで公開しています。2026年9月版でタテイルα プレミアムエディションは3,500円/㎡。ところが同じ表にあるグランデシリコンが3,550円で、無機なのにシリコンとほぼ同額です。期待耐用年数のほうは製品ページにも仕様書にも出てきませんが、パンフレットの12ページに「約18〜20年」と書いてあります。(2026年9月9日確認)

このページの内容全9項目

タテイルαはプレマテックスの「プレミアムライン」——公式が「地域で限られた施工店のみが取り扱える製品」と書いている側の塗料です。近くで頼めるかどうかから調べたい方はプレマテックスとはへ。

まず結論——公式が価格を公開しています

塗料を調べていて行き止まりになるのは、たいてい「いくらか」が書いていないからです。プレマテックスはここを公開しています。公式サイトの「各種資料 → 仕様書」から、材工設計価格表がPDFでダウンロードできます。

タテイルのシリーズを、その表からそのまま抜き出します。

製品名公式の分類材工設計参考価格塗装工程
タテイルα プレミアムエディション油性2液弱溶剤超低汚染形無機塗料3,500円/㎡2回
タテイルαサンクール プレミアムエディション油性2液弱溶剤超低汚染形無機塗料 遮熱タイプ3,350円/㎡2回
タテイル油性2液弱溶剤超耐候形無機塗料4,900円/㎡2回
タテイルアクア水性2液反応硬化形無機塗料4,000円/㎡2回
T2(タテイル2)油性2液弱溶剤形 有機HRC樹脂塗料5,500円/㎡2回
タテイルフロン水性2液フッ素ハイブリッド形無機塗料4,900円/㎡2回

この表には但し書きが3つ付いています。読まずに数字だけ使うと誤解します。

●材工設計価格は目安としてご利用ください。
●材工設計価格は300㎡以上の場合の参考価格です。平米数の少ない場合は割高になります。
●足場代・下地調整代等は含まれていません。

戸建ての外壁は300㎡に届かないことが多いです。ですからこの数字より高くなるのが普通だと考えてください。見積書の㎡単価と直接比べる数字ではありません。それでも製品どうしの高い・安いを同じ条件で並べられるという点に価値があります。実際の金額は、家の面積と足場のかかり方で決まります。

同社の中で並べると、位置がはっきりします

タテイルだけを見ても、高いのか安いのか分かりません。同じ表に載っている他のシリーズと並べます。

製品名公式の分類材工設計参考価格
T2(タテイル2)有機HRC樹脂塗料5,500円/㎡
タテイル/タテイルフロン無機/フッ素ハイブリッド無機4,900円/㎡
グランデ有機HRC水溶性2液 ハイグレード有機HRC4,350円/㎡
タテイルアクア水性2液 反応硬化形無機4,000円/㎡
グランデ無機水溶性2液 ハイグレード無機3,950円/㎡
グランデシリコン水溶性2液 ハイグレードシリコン3,550円/㎡
タテイルα プレミアムエディション超低汚染形無機3,500円/㎡
ウルトラ有機HRCウルトラ耐候形 有機HRC3,400円/㎡
ケイセラⅡ油性2液弱溶剤形 無機変性樹脂3,200円/㎡
ウルトラMUKI/ウルトラGゼロコート無機有機ハイブリッド/艶消し無機3,150円/㎡
ラジセラpro水性1液 多重ラジカル制御形3,000円/㎡
ウルトラSiウルトラナノポリマーシリコン2,550円/㎡
パルフェTOP/セラガードSiトップラジカル制御形シリコン/ハイグレードシリコーン2,000円/㎡

タテイルαは、同社のシリーズの中では真ん中あたりです。「タテイル」と名が付くと最上位に思えますが、いちばん高いのはT2(タテイル2)の5,500円で、タテイルα プレミアムエディションはその6割ほどの位置にあります。

そして注目したいのはここです。タテイルα(無機)3,500円と、グランデシリコン(シリコン)3,550円が、ほぼ同額だという点。「無機だから高い」が、同じメーカーの中では成り立っていません。グレードの名前ではなく、出てきた金額そのもので比べるほうが確実です。

これは「タテイルαが安い」という意味ではありません。樹脂の名前だけで価格が決まるわけではない、という話です。グレード=値段という読み方の限界は、塗料の種類のページにまとめています。

「塗るタイル」とは、何のことか

検索するとこの言葉が出てきます。出どころは公式です。

フッ素をも上回り「塗るタイル」ともいわれる低汚染形無機塗料(プレマテックス公式 製品ページ)

タイルを貼るわけではありません。無機塗料の耐候性をタイルにたとえた言い方です。公式の製品分類は「油性2液弱溶剤超低汚染形無機塗料」。「無機」と名の付く塗料の中身については、エスケープレミアム無機のページで整理しています。

公式にはもうひとつ、こう書かれています。

多重ラジカル制御形酸化チタンを採用しフッ素樹脂塗料を超える超耐候性を実現しました

ラジカル制御という言葉は、いま各社が使っています。日本ペイントのパーフェクトトップも同じ潮流の製品です。「ラジカル制御だから特別」ではなく、いまの標準的な作り方の一つだと考えてください。

期待耐用年数——パンフレットに「約18〜20年」と書いてあります

ここがこのページでいちばん大事なところです。そして2026年9月9日に、当サイトが書き直した箇所です。それまでは「公式に年数の記載が見当たりません」と書いていました。パンフレットを開いたら、書いてありました。

タテイルアルファ 期待耐用年数:約18〜20年
プレマテックス「タテイルα プレミアムエディション」パンフレット(PDF・全16ページ/巻末表記 2024.05)12ページ「ライフサイクルコストの比較」より

製品ページと標準施工仕様書だけを読むと、年数はどこにも出てきません。数字が載っているのは、公式サイトの「各種資料 → パンフレット」から開くPDFの中です。同じメーカーの資料でも、置き場所によって書いてあることが違います。

どの資料に載っていて、どれに載っていないか

公式資料期待耐用年数の記載
製品情報 → 上塗り材 → タテイルα プレミアムエディションなし
標準施工仕様書(第6版・2026年2月10日作成)なし
各種資料 → 仕様書 → 材工設計価格表(2026年9月版)なし(価格だけ)
各種資料 → パンフレット「タテイルα プレミアムエディション」12ページ約18〜20年
各種資料 → パンフレット「タテイルα サンクール プレミアムエディション」なし(パンフレット全16ページに同じ図がありません)

屋根に使う遮熱タイプのサンクールには、この図がありません。「18〜20年」は外壁用のタテイルαの数字です。

同じ図に、他のグレードの年数も並んでいます

塗料期待耐用年数30年間の塗り替え回数
タテイルアルファ約18〜20年1.5回
フッ素樹脂塗料約15年2回
シリコン樹脂塗料約10年3回
ウレタン樹脂塗料約7年4.3回

図の下にこう書かれています——「年数はメンテナンスの目安であり保証値ではありません。立地条件や周辺環境などにより前後することがあります。」

ここで並んでいるフッ素・シリコン・ウレタンは一般的なグレードの話で、同社の製品名ではありません。自社製品どうしの比較ではないので、そのまま「タテイルαはフッ素より5年長い」とは読まないでください。フッ素塗料の値段を実際の設計価格で並べたページも、あわせて見ておくと差が具体的になります。

同じページには超促進耐候性試験(スーパーUV)のグラフも載っていて、説明はこうです——「光沢保持率80%以上を長期間持続する『タテイルアルファ』。その年数は、ウレタン樹脂塗料の約2.9倍、シリコン樹脂塗料の約2倍、フッ素樹脂塗料の約1.3倍です」。グラフにはJIS A 6909の耐候形基準値である80%の線が引いてあり、試験時間を実際の年数に換算する条件も注記されています(実際の1年に相当する時間は内陸部で約40時間、沿岸部で約50時間)。

プレマテックスは「期待耐用年数とは何か」の説明ページまで持っています

年数を出しているメーカーでも、その年数の意味まで書いている会社は多くありません。プレマテックスは「期待耐用年数について」という専用ページを公開していて、定義がはっきり書かれています。

プレマテックスでは期待耐用年数を「塗膜の下地保護機能が著しく低下し塗り替えが必要とされる時期の目安」としています。
プレマテックス公式「期待耐用年数について」

読むときに効いてくる注記が、2つ付いています。

  • 保証年数ではありません——「各製品の標準塗装仕様に準拠し、適切な施工および環境条件下で塗装された場合を前提としています」とあります。つまり仕様どおりに塗られていることが前提の数字です
  • 過ぎたら即塗り替え、でもありません——「期待耐用年数が経過しても、必ずしも直ちに塗り替えが必要な段階とは限りません。実際の建物では、色あせやチョーキングといった外観変化の程度を目安に、総合的にご判断ください」とあります

年数の決め方も書かれています。促進耐候性試験の光沢保持率で劣化の進み方を4段階に分け、劣化初期から劣化進行期へ移行し始める時期を目安に設定している、という説明です。塗り替え推奨期にあたるのは光沢保持率40%未満で、そこまでにはまだ余裕がある段階を年数にしている、という書き方になっています。

同社の中で並べると、18〜20年は短いほうです

プレマテックスは他の製品でも年数を出しています。価格と一緒に並べると、タテイルαの位置が見えます。

製品期待耐用年数(公式の書き方)材工設計参考価格
T2(タテイル2)35年5,500円/㎡
グランデ無機30年超え3,950円/㎡
タテイルフロン25年4,900円/㎡
タテイルアクア「25年をも上回る」4,000円/㎡
タテイル年数の明記なし(促進試験で「約25年相当を経過した時点で初期の外観変化」)4,900円/㎡
タテイルα プレミアムエディション約18〜20年(パンフレットのみ)3,500円/㎡
タテイルαサンクール プレミアムエディション記載なし3,350円/㎡

ここで名前に引きずられないでください。「プレミアムエディション」は、シリーズの最上位という意味ではありません。年数でも価格でも、タテイルαは同社の中で下のほうです。価格の並びで見たときと同じ結論になります。

もっとも、それは悪い話ではありません。3,500円/㎡で18〜20年という組み合わせは、年数が公表されている同社の製品の中でいちばん安いです(上の表の5製品で比べたとき)。高い塗料を勧められたときに、この表があれば「もっと上があるのに、なぜこれなのか」も「これで十分ではないか」も、同じ資料の上で聞けます。

ネットの「25年」「保証15年」は、どこから来た数字か

タテイルαを検索すると「25年」「保証15年」という数字が出てきます。メーカーのパンフレットは18〜20年ですから、25年はタテイルαの公表値ではありません。ただし同社に25年の製品は実在します。上の表のタテイルフロン(25年)とタテイルアクア(「25年をも上回る」)、そしてタテイル(促進試験で約25年相当)です。

つまり「タテイル」と「タテイルα」を取り違えると、25年になります。製品名が最後まで書いてあるかどうかが、ここで効いてきます。見積書での確認ポイント①と同じ話です。

「保証15年」のほうは、そもそも種類が違います。

  • メーカーの期待耐用年数——試験にもとづく目安。会社が変わっても数字は変わりません
  • 施工会社の保証年数——その会社が出す約束。会社が無くなれば、なくなります

ですから年数を言われたら、聞くのは1つです。「それはメーカーの資料に書いてありますか、御社の保証ですか」。前者ならパンフレットの12ページを見せてもらえます。後者なら保証書の中身を確かめる話になります。

屋根に塗るなら、外壁と同じ年数では考えない

同じパンフレットの14ページに、外壁と屋根の差の話が出ています。

屋根と外壁の日射量比は約1.5倍の差があり、同じ塗料を使用しても屋根と外壁では塗膜の寿命に差が生じていました。
プレマテックス「タテイルα プレミアムエディション」パンフレット14ページ

根拠として東京地点・南向きの年間平均日射量が示されています。屋根(傾斜角20度=4寸勾配程度)が3.67kWh/㎡、外壁(傾斜角90度)が2.52kWh/㎡——新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の日射量データベース閲覧システムをもとに同社が作成した数字です。18〜20年という年数は外壁の話で、同じ塗料でも屋根のほうが先に来るということになります。

この差を埋めるために用意されているのが「屋根用耐候性強化色」です。耐候性に優れた無機顔料と、比較的耐候性の良い有機顔料(青・緑)だけで調色し、耐候性の悪い有機顔料(黄・赤)は一切使用しないと明記されています。光安定剤(HALS)を高配合し、艶調整剤などの添加を抑えて樹脂量を確保する、とも書かれています。標準施工仕様書も屋根用は別のPDFで出ています。

ただし制約があります。パンフレットの見出しの脇に「艶ありのみ」「一斗缶のみ」「遮熱塗料対象外」という3つの但し書きが付いています。遮熱タイプのサンクールでは、屋根用耐候性強化色は選べません。屋根も塗る見積もりなら、遮熱を取るか耐候性強化色を取るかで色と艶が決まってしまうので、先に確認しておくといいです。

年数の書き方は、メーカーによって違います

当サイトでは塗料メーカーの記事を書くたびに記録してきました。並べるとこうなります。

メーカー年数の示し方
プレマテックスタテイルαは製品ページと仕様書には書かず、パンフレットの図に載せる(約18〜20年)。他の製品はサイト本文にも明記(タテイル2 35年・タテイルフロン25年)。材工設計価格も公開
アステックペイント年数で明記(シリコン系15〜18年・無機系25〜28年など)。かわりに価格は非公開
エスケー化研年数と設計価格の両方を公開(プレミアムシリコン14〜16年・2,920円/㎡など)
日本ペイント年数は書かず、JIS耐候形の「相当」で示す(パーフェクトトップ)
ロックペイント上位グレードだけ年数を明記(ハイパーユメロック12〜15年・屋根用は8〜10年)。ユメロックなど下のグレードは記載なし。材工価格も公開

年数が見つからないときは、資料の種類を変えて探してください。製品ページに無くても、パンフレット・カタログ・製品説明書のどれかに入っていることがあります。当サイトはこのページで一度それを見落とし、「記載が見当たりません」と書いていました。

標準施工仕様書に書いてあること

公式の標準施工仕様書(第6版・2026年2月10日作成)から、施主が知っておくと役に立つ部分を抜きます。

項目公式の記載
荷姿16kg、4kg/セット(主剤14kg+硬化剤2kg)
所要量0.12〜0.15kg/㎡/回(塗布面積 106〜133㎡/セット/回)
塗回数2回
希釈PXシンナー 0〜8%
間隔時間(23℃)4時間以上・7日以内
可使時間(23℃)4時間以内
施工器具刷毛/中毛ローラー(ウーブンタイプ)
下塗り「下地に応じた下塗材をご使用ください」

「所要量は厳守してください」と書かれています

所要量は厳守してください。所要量が少ない場合、点錆の発生、耐久力の低下、色相の違い、隠ぺい力の低下が起きる恐れがあります。

これは缶の数で検算できるという意味でもあります。1セット16kgで106〜133㎡を1回塗り。2回塗りなので、塗る面積の2倍を塗布面積で割れば、必要なセット数のおおよそが出ます。この検算のやり方は、手抜き工事のページに詳しく書きました。

実際に数字を入れてみます。外壁を120㎡塗る場合——

  • 所要量から:120㎡ × 0.12〜0.15kg × 2回 = 28.8〜36kg。1セット16kgなので1.8〜2.3セット
  • 塗布面積から:120㎡ × 2回 = 240㎡ぶん。1セットで106〜133㎡なので1.8〜2.3セット

どちらから計算しても同じで、3セット(48kg)が要ることもあるという結果になります。見積書に「2セット」とだけ書いてあったら、塗る面積と合っているか聞いてみてください。足りない側に寄せると、仕様書がわざわざ警告している「隠ぺい力の低下」——つまり下の色が透けるが起きます。ここでの120㎡は説明のための数字です。自分の家で塗る面積の出し方は、こちらにまとめています。

シーリングの上には、基本的に塗らない

シーリング材の上に施工する場合、シーリング材の種類等により、汚染、密着不良、割れが発生することが有りますので、基本的には行わないでください。やむを得ず塗装する場合は、重ね塗り適合性を十分確認の上、施工して下さい。

外壁塗装ではシーリングを打ち替えてから、その上に塗料を乗せる(後打ちの逆)工程がよくあります。この製品はそれを基本的に避けるよう指示しています。シーリングと塗装の順番は、会社によって考え方が分かれる部分です。「うちのシーリングはどう納めますか」と聞く価値があります。同じ質問を何社かにすると、答え方の差がそのまま会社の差になります。

ただし同社は、シーリング表層専用の下塗材を持っています

「基本的には行わないでください」で終わると、打ち替えたシーリングの上はどうするのかが宙に浮きます。プレマテックスの下塗り材の一覧を見ると、答えの一つが用意されていました。

シーリング上の塗膜割れを抑制。シーリング表層専用の油性1液強溶剤形クラック抑制シーラー(プレマテックス公式「クラロックシーラー」)

同じページには「シーリング材の可塑剤移行を低減し、汚れ、ベタつき、変色を抑制」とあります。荷姿は1kg缶で「1棟に1缶」、色は透明、用具は刷毛。注意書きも具体的です。

  • 「シーリング表層専用シーラーです。屋根や外壁への施工は避けてください」
  • 「クラロックシーラー塗布後は必ず当日中に下塗り材を施工してください」——シーリングを塗ったその日のうちに下塗りまで進む段取りが要ります
  • 適用基材はポリウレタン系シーリング・変成シリコーン系シーリング

つまり「シーリングの上は塗らない」で行き止まりではなく、「専用のひと手間を入れる」という答えが同じメーカーの中にあります。見積書に1kgの小さな材料がひとつ載っているかどうか——それだけで、この工程を知っている会社かどうかが見えます。金額としては大きくありません。

もうひとつ。同社の無機有機ハイブリッドEPOは、特長に「シーリングのブリードを抑制(ホワイトのみ)」と書かれています。同じ製品でも色によって役割が違うということです。「白の下塗りで」と言われたら、こういう理由があるかもしれません。

塗れない条件も、数字で決まっています

気温5℃以下、湿度85%RH以上、結露の可能性、降雨が予想される場合は施工を避ける——と明記されています。さらに、

被塗物の表面温度が5℃以下の場合は塗装を避けてください。

「気温」ではなく「壁の表面温度」だという点に注意してください。気温が5℃を超えていても、日の当たらない北面の壁は冷えたままのことがあります。季節と塗装の関係は、こちらで整理しています。

「下地に応じた下塗材」——名前が分かれば、見積書で照合できます

仕様書の下塗り欄は「下地に応じた下塗材をご使用ください」としか書いていません。何を使うかは会社が決めるということです。ただし選ぶ先はプレマテックスが公開しています。公式の「下塗り材」一覧は、この8つです。

製品名公式の種別主な適用基材
無機有機ハイブリッドEPO(水性/油性)水性2液反応硬化形超付着シーラー/油性2液弱溶剤形エポキシ超付着シーラー窯業系・光触媒・金属サイディング、モルタル、コンクリート、スレート、瓦、FRP樹脂、木部、旧塗膜、アルミ、ステンレス、鉄部など
マルチ浸透シール1液水性マルチシーラー「幅広い下地」
フィルメイク1液水性フィラー「多種多様な旧塗膜」・ヘアークラック
クオリティマルチサーフ1液水性マルチサーフェーサー外壁・屋根/痩せた下地の調整
クリヤベースハイパー透明プライマー光触媒・無機系・焼付金属サイディング
防錆プライマーpro1液水性プライマー金属など/防錆
メタルガードエポ22液エポキシ系プライマー金属部/防錆
クラロックシーラー油性1液強溶剤形クラック抑制シーラーシーリング表層専用

この表の使い道は「壁の状態と、下塗りの名前が噛み合っているか」を見ることです。

  • 壁にひびがあるのに下塗りがシーラーだけ——フィラー系(フィルメイク)の話が出ていないのはなぜか、聞けます
  • 外壁が光触媒コートのサイディング——クリヤベースハイパーのような専用品が要る下地です
  • 鉄部が多い家——防錆プライマーproやメタルガードエポ2の名前が出てくるはずです

「どれが正解」という話ではありません。下塗りは現物を見た人にしか決められません。ただし製品名さえ書いてあれば、あとから自分で調べられます。「下塗り一式」では調べようがない——差はそこです。下塗りの考え方は、こちらにまとめています。

扱える会社が限られます——パートナーショップ制

これは価格や性能より先に知っておいたほうがいい話です。公式の「パートナーショップ紹介」に、こう書かれています。

プレマテックス製品は弊社の認定を受けたパートナーショップのみが施工いたします。
「タテイルシリーズ」「タテイルアクアシリーズ」はプレマテックスのパートナーショップのみが責任を持って施工いたします。
プレマテックス公式「パートナーショップ紹介」

タテイルαはこの「タテイルシリーズ」に含まれます。材工設計価格表でも、タテイル・タテイルアクア・T2・タテイルフロンと同じ「タテイル」の区分に並んでいます。つまり「タテイルαで、あと2社に相見積もりを」は、そのままでは難しいということです。

ただし、探すことはできます。同じページに都道府県からパートナーショップを選ぶ一覧があり、47都道府県すべてが並んでいます。近くに何社あるかは、そこで先に見ておけます。同じページには「外壁塗装や屋根塗装の勧誘を目的とするものではありません」「充分にお打ち合わせいただき、納得されたうえで契約されるようお願いいたします」とも書かれています。

これは悪いことではありませんが、比べ方が変わります。

  • ①同じ製品で会社を比べる、はできない——扱える会社が限られているため
  • ②だから「同じグレードの他社製品」で並べる——無機なら他社の無機と。エスケーと関西ペイントの無機を並べたページが使えます
  • ③価格表があるぶん、検算はしやすい——3,500円/㎡(300㎡以上・足場別)という土台があります

同じ構造はアステックペイント(直販体制とプロタイムズ)にもあります。メーカーが施工店を選ぶ形は、いま珍しくありません。

見積書での確認ポイント

  • ①製品名が「タテイルα プレミアムエディション」まで書いてあるか——「タテイル」だけだと別製品(4,900円/㎡)の可能性があります
  • ②外壁と屋根で製品が分かれているか——屋根はサンクール(遮熱タイプ)が用意されています
  • ③下塗りに製品名が書いてあるか——仕様書は「下地に応じた下塗材」としか書いていません。何を使うかは会社が決めています(同社の下塗り材8製品はこちら)
  • ④年数を言われたら、出どころを聞く——メーカーのパンフレット12ページは約18〜20年です。25年ならタテイルやタテイルフロンなど別製品の数字、15年なら会社の保証の可能性があります
  • ⑤シーリングの納まりを聞く——仕様書は「基本的には行わないでください」としています

この5つは、全部紙の上で確かめられます。見積書の見方のページと一緒に使ってください。

参考にした情報

  • プレマテックス株式会社 公式サイトより——「製品情報 → 上塗り材 → タテイルα プレミアムエディション」(製品分類・特長・適用下地・多重ラジカル制御形酸化チタンの記述)、「各種資料 → 仕様書 → 材工設計価格表」(2026年9月版・製品名/荷姿/塗布面積/材工設計参考価格/塗装工程と、冒頭の但し書き3項目)、「タテイルα プレミアムエディション 標準施工仕様書」(第6版・2026年2月10日作成/所要量・塗回数・希釈・間隔時間・可使時間・施工器具・下塗りの指示・注意事項)、「特別製品情報 → プレミアムライン」(プレミアムラインのシリーズ構成)
  • プレマテックス株式会社 公式サイト「各種資料 → パンフレット → タテイルα プレミアムエディション」(PDF・全16ページ/巻末表記 2024.05)——12ページ「ライフサイクルコストの比較」の期待耐用年数と30年間の塗り替え回数、超促進耐候性試験(スーパーUV)のグラフと換算条件、14ページ「屋根用耐候性強化色について」の日射量比・調色の考え方・3つの但し書き。同「タテイルα サンクール プレミアムエディション」パンフレット(PDF・全16ページ)は、同じ図を持たないことの確認に使用(2026年9月9日確認)
  • プレマテックス株式会社 公式サイト「トピックス&コンテンツ → 期待耐用年数について」——期待耐用年数の定義、光沢保持率による劣化進行の4段階、設定基準、2つの注記(2026年9月9日確認)
  • プレマテックス株式会社 公式サイト「パートナーショップ紹介」——施工店の限定に関する記載と都道府県別の一覧、ご利用上の注意(2026年9月9日確認)。同「製品情報 → 上塗り材」一覧、「特別製品情報 → タテイル2」、「特別製品情報 → プレミアムライン → タテイル/タテイルアクア」、「製品情報 → 上塗り材 → タテイルフロン/グランデ無機」——各製品の期待耐用年数の記載を確認(2026年9月9日確認)
  • プレマテックス株式会社 公式サイト「製品情報 → 下塗り材」——一覧8製品の製品名と種別。うち「クラロックシーラー」ページ(説明文・特長・用途・適用基材・色・荷姿・施工用具・注意事項)と「無機有機ハイブリッドEPO」ページ(種別・荷姿・施工用具・色・適用基材・特長)は個別に確認(2026年9月4日確認)

最終確認日:2026年9月4日(下塗り材の項目。価格表・仕様書の確認日は2026年8月30日)。材工設計価格は改定される場合があります。同表には「目安としてご利用ください」「300㎡以上の場合の参考価格」「足場代・下地調整代等は含まれていません」と明記されているため、見積書の㎡単価と直接比較できる数字ではありません。期待耐用年数の「約18〜20年」は、パンフレット12ページの図に記載された数字です(同図の注記に「年数はメンテナンスの目安であり保証値ではありません」とあります)。2026年9月9日より前、当ページは「公式に記載が見当たらない」と書いていましたが、パンフレットの確認漏れによる誤りでしたので訂正しました。当サイトは製品の優劣を判定するものではありません。缶数の計算例に使った120㎡は説明のための数字で、実際に必要なセット数は塗る面積と下地の状態で変わります。

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よくある質問

タテイルαの価格はいくらですか?

プレマテックスは材工設計価格表を公開しています。2026年9月版では、タテイルα プレミアムエディションの材工設計参考価格は3,500円/㎡です。ただし同表には「材工設計価格は目安としてご利用ください」「300㎡以上の場合の参考価格です。平米数の少ない場合は割高になります」「足場代・下地調整代等は含まれていません」という但し書きが付いています。

タテイルαは何缶(何セット)必要ですか?

標準施工仕様書の所要量は0.12〜0.15kg/㎡/回で2回塗り、荷姿は16kg/セットです。外壁120㎡なら28.8〜36kg=1.8〜2.3セットとなり、3セット必要になることもあります。仕様書は「所要量は厳守してください」とし、少ない場合に隠ぺい力の低下などが起きると書いています。見積書のセット数が塗る面積と合っているかは、この計算で確かめられます。

打ち替えたシーリングの上には、タテイルαを塗れますか?

標準施工仕様書は、シーリング材の上への施工について「基本的には行わないでください」とし、やむを得ず塗装する場合は重ね塗り適合性を十分確認するよう求めています。一方でプレマテックスはシーリング表層専用の「クラロックシーラー」(油性1液強溶剤形クラック抑制シーラー・1kg缶・透明・刷毛塗り)を公開しており、塗布後は必ず当日中に下塗り材を施工するよう指示しています。実際にどう納めるかは、現地を見た会社に確認してください。

タテイルαの耐用年数は何年ですか?

メーカーのパンフレット「タテイルα プレミアムエディション」(PDF・全16ページ)の12ページ「ライフサイクルコストの比較」の図に、「タテイルアルファ 期待耐用年数:約18〜20年」と書かれています(2026年9月9日確認)。同じ図でフッ素樹脂塗料は約15年、シリコン樹脂塗料は約10年、ウレタン樹脂塗料は約7年です。ただし公式の製品ページと標準施工仕様書には年数の記載がなく、パンフレットを開かないと出てきません。図の注記は「年数はメンテナンスの目安であり保証値ではありません。立地条件や周辺環境などにより前後することがあります」です。インターネット上の「25年」は同社の別製品(タテイルフロン25年、タテイルアクア「25年をも上回る」)の数字と紛れている可能性があり、「保証15年」は施工会社が出す保証です。

「塗るタイル」というのは何のことですか?

プレマテックスの公式製品ページに「フッ素をも上回り『塗るタイル』ともいわれる低汚染形無機塗料」という表現があります。タイルを貼るわけではなく、無機塗料の耐候性をタイルにたとえた言い方です。製品の分類は公式表記で「油性2液弱溶剤超低汚染形無機塗料」です。

タテイルαは高い塗料ですか?

同社の価格表の中では、むしろ中位です。タテイルα プレミアムエディションが3,500円/㎡なのに対し、グランデシリコンが3,550円/㎡、T2(タテイル2)が5,500円/㎡、タテイルが4,900円/㎡です。無機塗料でありながら、同社のシリコン塗料とほぼ同額という位置づけになっています。

どこの塗装店でも塗ってもらえますか?

公式の「パートナーショップ紹介」に「プレマテックス製品は弊社の認定を受けたパートナーショップのみが施工いたします」「『タテイルシリーズ』『タテイルアクアシリーズ』はプレマテックスのパートナーショップのみが責任を持って施工いたします」と書かれています。タテイルαはこのタテイルシリーズに含まれるため、相見積もりを取ると扱える会社と扱えない会社が出ます。近くに何社あるかは、同じページの都道府県別の一覧で先に確認できます。比較したい場合は、同じグレードの他社製品で並べるほうが現実的です。

サンクールとの違いは何ですか?

公式の価格表では、タテイルαサンクール プレミアムエディションは「油性2液弱溶剤超低汚染形無機塗料 遮熱タイプ」と分類され、材工設計参考価格は3,350円/㎡です。標準施工仕様書では屋根用として掲載されています。